ベルリン1月23日

やっと晴れたーーーーーーーーー

おはようございます。Alexanderplatz近くのアパートのベランダから、北東方面を眺めた感じ。
とうとう最後の日になってしまいましたよ。
今日は早くから家を出まして、お遣いもかねて、KaDeWeという百貨店へ行きます。最上階の食べ物屋がすごいらしいの。デパ地下めぐりみたいなものかしら。早速着いたら、予想どうり、すごい。ヨーロッパ中のうまいもんが。。。ヨーグルトケーキチョコレートチーズパン酒ピクルススパイスコーヒー紅茶その他。楽しいです。友達に頼まれていたメロン紅茶を購入。でも、ここにはきっとあるだろうと思っていた、オランダのカスタードクリーム状のデザート、VLA(フラ)が無かった。どうしてVLAはオランダだけなんだい?これは、カスタードクリームを軽くしたようなデザートで、スプーンですくって食べる。だいたいどこのスーパーにもあって、牛乳パックやプラスチックのバケツに入って売られている。以前ワタシはNYまでわざわざ持って帰った。それぐらい美味しいんだよ(漏れたけど)。
そして、デパートというだけあってやっぱり玩具売り場も見てしまった。プレイモービルを。。。まー幸か不幸か、やっぱりアメリカでも同じようなものが買えるんですよね。値段もそんなに変わらない。なのでプレイモービル絵つきのマグカップを一つ買いました。(補足:あ、忘れてたけどハロウィンもののプレイモービルも割引してあったのでちゃっかり買っていた。)

それから、フレデリックとブランチを食べに再びKreuzbergへ。なんて名前の場所か忘れちゃったけど、すんごく美味しかった。スイス・ブランチってのを頼むとパンと果物とはちみつとジャムとバター、そしてチーズが5種類ぐらい出てきた。おい、おいおいおいしい。。。もう泣きそう。ここで栄養補給たっぷりした後、フレデリックと3人で街歩きへ。今日まで延ばし延ばしにしていた、ベルリンの壁の跡へ。

これが、今残っている一番長い壁だそうです。S-Bahn(市電)のOstbahnhof駅近く。East Side Galleryという名前がついてます。壁の旧東側に連なる壁画の数々を見ることができる。色々なメッセージが掲げられている。この辺は何もない広々とした場所で、壁を眺めながら、静かに日光を全身に浴びて歩くことができた。『ベルリン・天使の詩』でブルーノ・ガンツが人間になって、目を覚まし歩き始めるところもたぶんここだと思う。ほんとに何もない場所だ。冷戦時代に、壁のすぐ近くには監視塔以外になんにも無かったエリア、そのままのよう。
「まだ壊さなければいけない壁はたくさんある」

ベルリンはふとしたところに急な景色の変化が点在する。完璧に都市化された一角のすぐ隣が小さな芝の生えた丘だったり。ベルリン一の大きい駅は、ほんとに何もない平地にどかん、と建っている雰囲気がある。そして旧西側と東側の違いはもちろん。2つの違う「世界」がある日突然混ざり合って、水の中に油を垂らしたような現象があったのかもしれない。壁の崩壊の直後に、ドイツはとにかく一生懸命になって壁を撤去することに努力したらしい。あたしはちょっとミーハーな気持ちで壁の残りを見たいな、なんて思って行ってみたけど、それを考えればやっぱり、人は、分断されていた時代の風景を無くそう無くそう、と急いだのだろうと思う。そういう時代の戸惑いみたいなものを、なんか感じた気がする。統一=素晴らしい、冷戦の終わり=よかった、っていうことと同時に、見えないことが沢山起こっているんだなぁ、と。。。よくわかんないけど。とにかく、今まで旅行した中でこんなに街の風景に強い何かを感じたのはベルリンが初めてだなあ。そのぶん頭で考えているかどうかはちょっと怪しいけど。

Yes I have a huge crush on Hannah. Got a problem?
この後、ポツダム広場付近まで行って、The Memorial for the Murdered Jews of Europe(『虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑』)というのを見に行った。この写真のHannah-Arendt Straßeの後ろにあるのがそれ。墓石のような、グレーの直方体が延々とマスの目に並べられている広い一角です。
 
背の低いのがあったり、高いのがあったり。それぞれの人を表しているような。でも、名前も顔も性格も何も見ることができない。ストレートに恐怖を伝えるとか、平和を呼びかける、というような方向からはちょっと離れた記念碑だと思った。2000個以上もの石の間を実際に歩くことができる。背の低い石の間から歩き始めて、内側に差し掛かる頃にはもう自分の背丈より高くなっている。見えるのは目の前と空だけ。坂道もある。遊び心、といっちゃお粗末になるけど、実際に石の間を歩いてみて、参加する、というコンセプトがあるのだろう。文や写真で伝えられるもの以外のものを、自分で迷って探してみる、みたいな雰囲気、かな。すごくよかった。
この日は見れなかったけど、ここの地下には小さな博物館もあるようです。


まだちょっと明るい。暗くなる前に、NYで知り会ったFotiniちゃんという女の子が働いているというギャラリーを訪ねていくことに。かなり歩いてたどり着いたのがPROGRAMという名前の小さな場所。アートと建築をミックスしたプロジェクトに取り組んでいるギャラリーだそうです。この日はカナダ人アーティストのRodney Latourelleというひとのインスタレーションをやっていた。、ピンクと薄ピンクの壁の間をぬって歩く、天井の低い迷路のような「建物」だった。ジューイッシュメモリアルから来た直後に。。。奇遇ですね。そこでFotiniちゃんと会って、お茶をご馳走してもらって、あーでもないこーでもないと小一時間おしゃべり。ベルリンに住み始めて2ヶ月だそう。ここでランは、疲れたから行かないと行っていたユダヤ博物館に是非行け、と強く勧められて行くことを決意。私は7時からバレエを見に行く予定が入ってございますのでここは失礼させていただきます。。。

ということでFotiniちゃんのギャラリーを後にして、私はランとフレデリックを置いて一人でUnter den Lindenまで歩く。かなりの距離だけど、途中可愛いお店で可愛いものと遭遇したりして、お財布の中の紙とその可愛いものを交換したりして、手に紙袋を下げてどうにか歩いた。夜のウンテル・デン・リンデンは非常に素敵。
写真がないけどここはとにかく寒くてポケットから手を出せない。
で、行きましたBerlin Staatoper、ベルリン国立歌劇場。コートを預けたら、ジーンズにフーディーしか着ていないことに気づいてちょっと後悔したけど、まあいっか。でも冗談じゃなく、こちらの方々はバレエ鑑賞にはかなり着飾って来られるんですね。ていうか私バレエを見るのは生まれて初めてなんですが。自分のことは棚において、そんな美しい方々を見て楽しんだ。
最上階にある席に着こうとするとき、案内のひとに、「今日は100席ぐらい空いているので、チャンスを狙ってもっといい席が空いていたら移動してもいいですよ」と言われた。ラッキー!開演直前に、1階下に下がって、正面の席をゲットした。ドキドキ。嬉しゅうございます。。。
肝心のバレエは、シンデレラ。といっても、まったくのコンテンポラリーな作品という感じ。原作がアレンジされていて、現代のバレエ学校で、という設定になっている。シンデレラ役は、バレエスクールのプリマドンナに選ばれた女の子。それをみて悔しがる意地悪な女の子二人が、彼女のクラスメイト。不細工で、ダンス下手(もちろんわざと)。そしてその意地悪役2人は、男の人が演じている。そのうちの一人、Vladimir Malakhov というウクライナ人のダンサーが、振り付け等をやっているみたい。
まあとにかく、すごかった!目が釘付け。人間の身体って、美しいものですねぇ。。。ストーリーも、半分コメディーみたいで面白かった。ホールで生徒が練習をしているバレエスクールの場面と、魔女さんが色々あやつってシンデレラを綺麗にしてしまう幻想的な場面と、ふたつが交互に出てくるような感じ。遊び心たっぷりで。
途中、意地悪二人組がかなり高いハイヒール履いて踊るところなんか、圧巻でした。
もちろんクサイ場面とかもあるんだけど、私みたいな曲がった性格の人にも突っ込むすきを与えてくれない。すごいです。面白い場面もバランスよく含まれてたし。
これが公式サイトにでてる写真ギャラリー

バレエで心を洗われたあと、フレデリック君に電話を入れて、友人が集うバーに向かう。地下鉄に、乗ろうかどうしようか。そこまで遠くないんだけど、地下鉄だと2回も乗り換えしなきゃいけない。ここはタクることにしよう。しかし、タクシーが。。。つかまらないよう。劇場から出て変な道までちょっと歩いてしまったから。大通りなんだけど、誰も歩いてなくて、どこの店も開いてなくてちょっと怖い。そして、タクシー走ってねえ。寒い。
。。。10分ぐらいしてつかまった。
さて、えっと、行き先を運ちゃんに伝える。場所の名前はちゃんと伝わったみたい。着いてみたらかなり近かった。降り際に、ここでいいの?右側でオッケー?とか英語で訊かれる。え、乗ってから今まで一言も英語喋ってないんですけど。。。見破られた。
そしてたどり着いたバー、Oranien StraßeにあるMolotov Cocktailというお店。名前から、パンクっぽいところかなーって勝手に想像していたけど、おしゃれな場所だった。(ただこういう名前のパンクバンドがあるからってだけ。。。視界、狭っ!)「本日のカクテル」っつーのをとりあえずいただいて、とりあえず暖まるまで飲んだ。Fotiniちゃん、Frederik君とLaraちゃんで私達のベルリン最後の夜につきあってもらった。
たのしかったです。
暖かくなったらまた行きたい。
できれば住みたい。
それは大変そうだ。
でも、家賃が死ぬほど安いんだってよ。

旅の参考にしたページ:
ベルリンのローカル雑誌 http://www.zitty.de/
NY Timesにあった記事 http://travel.nytimes.com/2006/12/10/travel/10hours.html
たまたま見つけたサイト http://www.berlin-hidden-places.de/yuba_web3/index.htm
ためになったようななってないような、読者投稿の http://www.ivebeenthere.co.uk/places/germany/berlin/index.jsp 
行きたかったけど行かなかった http://www.das-moskau.com/
それと、暗闇レストラン http://www.unsicht-bar-berlin.de/unsicht-bar-berlin-v2/en/html/home_1_idea.html
(ケルンとハンブルグにもあるみたいね。)


などなどなど
あと、ドイツ語→英語の無料翻訳サイトもよく使いました。