ジェロ・ビアフラについてもうひとつ。


この日記はかつてmixiで書いてたものです。
Jello Biafraはサンフランシスコ出身のバンド、Dead Kennedysの元ボーカル/ほとんどの曲作りを手がけた人。デッド・ケネディーズは78年結成。80年代のアメリカのパンクバンドの中で存在はかなり大きい。私は今でもアメリカ一のバンドだと、思う。彼らの歌の大半はユーモアたっぷりな社会風刺。そんな曲たちをビアフラが迫力たっぷりに歌い上げる。歌詞は全てビアフラ作(と思います)。
デッド・ケネディーズは86年に解散。
ところが90年代になって、デッド・ケネディーズのほかのメンバーとビアフラ(彼はバンドが所属していたレーベルの社長でもある)との間でお金に関する対立が起こる。“レーベルが、メンバーに正しいギャラを払っていなかった”という問題が発覚する。(つまりレーベルの社長であるビアフラに責任がある)なぜこんなことが起きたのか、とか誰が正しいのか、というのはいろんな見方がなされているけれど、私も、はっきりした原因はわからない。その対立は結局裁判にまで発展してしまうのだけど、結局ビアフラが敗訴、多額の補償金を他のメンバーに払うことになる。それと、裁判の結果もうひとつビアフラが他のメンバーに譲渡しなければいけなかったものが、デッド・ケネディーズの楽曲を使用したりリリースしたりするすべての権利。ビアフラが書いた曲を、解散後のほかのメンバーが好きなようにできちゃう、ってこと。ひどい話ではないか。

そもそも事の発端はビアフラ以外のメンバーの金に対する貪欲さが原因、というのが筋かもしれない。私がそう思いたいだけなのかも知れないけど。。。でも、結局メンバーが手にしたものは楽曲の権利。これはフェアじゃないと思う。この権利をいいものにDeadKennedysは2001年にビアフラ抜きで再結成して、(ビアフラの真似をして歌うボーカルがいるんだそうな)ツアーをしたりライブアルバム出したりしている。

私がDead Kenndysを知ったのはたぶん98年ぐらいだろうか。その頃はビアフラとバンドの間の対立なんてことは全然知らなかったけど、だんだんこのバンドにのめりこんでいくうちになんだか裁判のことなどを知るようになった。現在のDead Kennedysのサイトでは、“ビアフラが俺らを裏切った”とかいうふうな説明がなされていたり、ウィキペディア英語版では、ビアフラ側につく書き方をしていたり。*1ところが面白いのがウィキペディア日本版では、ビアフラという人はちょっと危険な人物、として捉えるような書き方になっている。おもしろい。。。私はビアフラ応援します。

そのビアフラ無しのDead Kennedys、来月ツアーをやるらしい。どういうことをやるのか、気になる。どういう批評を受けるか。。。
私は行かないけど。


。。。というひとつのバンドの話でした。

*1:2005年10月現在ではこうでしたが、今ではちょっとwikiの内容、変えられたようです