時代

80年代の音楽は、素晴らしいということをあらためて確認した。

昨日は、イスラエル育ちのロニットちゃんのお家にランと二人でおじゃました。夕食を終えた後、ロニットちゃんがたいそう嬉しそうに、4枚ほどのCD-Rをお部屋から持ってきた。中には、ものすごい数の80年代のヒット曲が入っているらしい。彼女と同年代ぐらいのフランス人の友達が焼いたCDだって。もちろんアメリカのヒット曲も多いけど、ヨーロッパ色が強いみたいです。イスラエルはヨーロッパで大きかったものがそのまま輸入されているので、ロニットもランも他のヨーロッパ各国の子供たちと同じような音楽を聴いて育ったらしい。テレビ番組も同じ。私はもちろん80年代のヒット曲といわれても、Depeche ModeとかMadonnaとかCindi LauperとかAC/DCとかABBAとか、随分後になってから知ったわけで、実際それを聴いて育ったわけではない。(それにランやロニットちゃんより若いし、ね。)小さい頃は日本の国産の音楽で十分だったよ。
まあとにかくランやロニットちゃんが13歳ぐらいの時に聞いてたのがその辺の音楽らしく、そのCDを聴きながらもう二人は大変盛り上がり、15年ぶりぐらいに聴く曲なのに歌詞をほとんど覚えていて、一緒に聴いている私もかなり楽しかった。そこで始まる二人の回想録。幼年時から思春期にかけて、彼らがよくやっていたのが、“クラスパーティー”という名前のパーティーらしく、友達同士で家にクラス全員を招待して、お菓子を食べたり、音楽をかけてダンス、していたのだそうな。極めつけはユダヤ教の“Bar Mitzbah”(バーミツバ、女の子の場合はBat Mitzbah)という13歳のお祝いで、(13歳になると一人前のユダヤ教徒、と認められる)それはもう盛大なパーティーが各家庭で開かれるらしい。ランのパーティーの時もDJを呼んで、防空壕を使って(というのが悲しい現実だけど防音効果もあって広いということで、みんなパーティーなどにかなり利用していたらしいんです。)盛大に13歳を祝ったそうです。
そんな思春期の彼らのダンスパーティーで、必ずあるのが“チークダンス・タイム”ね。それを彼らは“スロー”と呼ぶらしい。そのスローの音楽が流れ出すと、男の子は勇気を振り絞って好きな子の近くに行き、一緒に踊らないか、と誘う。その、彼らのお決まりの踊りのポジションがこれ。

二人の体の距離に注目していただきたい。この体勢で、左右にゆっくりゆらゆら揺れるだけ。ロニットとランが実際この踊りを見せてくれたときは、笑いすぎてあまりのショックに色んな記憶がとんだ気がした。かわいいのやら、くすぐったいのやら、恥ずかしいのやら。。。これ以上体をくっつけることは当時の彼らにはあまりにも過激すぎて、クラスで1人か2人ぐらいの人気のある子やマセた子にしか許されなかったらしい。ちなみにランもロニットも、スローの時には誘ったこともないし誘われたことも無い、って言っていた。Nerdだったんだね。ますます親近感がわくなぁ。
ということでこれから私の80's教育が本格的に始まります。がんばろう。しかし、本当に素晴らしい楽曲が多い。あれらの曲のアレンジ、シンセサイザーの音が、ドラムマシーンのビートが、驚異の発明のように聞こえたらもうこっちのもの。それでいて奇抜なだけでなく、あのメロディーが悲しく優しく魂に語り掛けてきます。大げさに、歌の世界にどっぷりつかれる。最高。
ここで一曲:ロニットちゃんお気に入りの、AVALANCHEの“Johnny Johnny Come Home"という曲、泣けます。踊り明かしてくれよな。 http://www.p-o-p.no/avalanche/downloads/Johnny%20Johnny%20come%20home.mp3