うまくいかない一日

24日の土曜日、ジェロ・ビアフラ先生の講演(?)がフィラデルフィア(以下フィリー)のThe Fist Unitarian Churchという場所で開かれることになった。NYではやらないらしく、初めてAmtrakという電車に乗って、(超快適!)NYから約一時間半でフィリーに着いた。
ちょうど正午に着いて、4時の講演まで時間があるので街をちょっと見て歩くことに。前日のリサーチで行こうと決めていた市場にまず行く。ローカル電車にのると、切符を切る人も居なければ切符を調べに来る人も居ない。どっちにしてもAmtrakの半券で市内の電車などはタダ乗りできるらしいのだけど。ニヤリ。というわけで市場に着く。名前はReading Terminal Market。平屋建ての広ーい建物の中に、碁盤の目に沿った感じで色んな類いの食べ物屋が並ぶ。野菜、肉、魚、パンにアイスクリーム、蜂蜜まで。どれを見てもおいしそう。値段も庶民にやさしいし。特に、フィリーのあるペンシルバニア州は、アーミッシュの人々が住んでるところなので、売り子さんの中にはアーミッシュらしき服装をした人達が結構居た。チーズ、肉、パンやジャムを売っている。調べたら、ペンシルバニアには現在約4万7千人のアーミッシュの人が暮らしているそうな。一番多いのはオハイオで、約5万5千人とかだって。それにしても、少ないんだなあ意外と。さすがにフィリーの街中では馬車などを見かけることはなかった。

アーミッシュのおばさんと彼女のチーズ屋さん
それにしても、どれもすごく美味しそうで。。。この食材を家に持って帰れたらどんなに幸せなことか。でもここは観光客として、とにかく見て見て見まくった。うまそうなパンとジャムが沢山あった。。。
お腹が空いてきたので、何を食べようか散々迷った後ソフトシェルクラブをいただくことになった。魚屋に隣接する食べ物屋なので気合が入ります。なんかフィリーって魚介類がうまいかも、って勝手に思っていたのだけどこれは果たして正しいだろうか。とりあえず水に囲まれてる場所だし。。。私にとってチーズステーキは問題外だし。とにかくそのソフトシェルクラブを2匹食らったのだけど、これがなんかまあまあの味だった。まーいっか。今度家ででも作ろ。
気を取り直して、デザートにアイスクリームを食べるも、なんかこれもまあまあの味だったー。どこに来てもここは所詮アメリカなのか。出際にフィリー近郊で作られているという赤ワインを一本買った。*1
もうちょい時間があったので、市場からバスで科学博物館へ行くことに。この博物館は面白いと聞いていたので前々から行きたいと思っていた。ベンジャミン・フランクリン(100ドル札のおっさん)の財団が建てたものらしい。物理学者として色々なものを発明したり、政界でも活躍したりとにかく色々やったなかなか狂った人だったらしい。
ビルに入ってすぐ、見る場所はまず、人体。どうしてもここは。ここでの主役は、心臓です。でっかいでかい心臓が展示室の真ん中にそびえ立っていて、心臓の中の血管や心室を実際に通って歩くことが出来る仕組みになっている。

すばらしい。あんまり面白いので、3回回ってみました。そのほかにも、心臓手術の実際の映像があったり、血液のしくみを面白く説明してあったり。大変勉強になりました。それより、心臓コーナーであまりにも長い時間を費やしてしまったので時間がなくなった。あああもう。また今度の機会に。
そこから歩いて目的地の教会に着きました。人がぱらぱら集まり始めていた。このFirst Unitarian Churchでは、礼拝堂や講堂を色んなイベント等のために提供している場所で、その主要部分がパンクのライブだったりもする。そういうコミュニティーセンター的な会場が栄えているのは、素敵なことだ。
そこで。外で待っていると、4時を過ぎた頃に主催者側の人からのアナウンスがあった。「ジェロの飛行機が遅れているので2時間遅れになる」げー。この日の夜はnyで別の予定があったんだけど、もうそれを諦めてフィリーに残るか。。。とりあえず遅くなるまで待って、考えよう。

とりあえずお客を会場内に入れてくれたので、6時まで本でも読んで過ごすことにする。そうそう、この教会、めちゃめちゃ綺麗です。座って本を読んだりするのにはほんと理想的。そうやって礼拝堂のベンチで過ごすこと2時間、再び主催者の兄ちゃんが前に出てアナウンスを始めた。
「ジェロの飛行機がまた遅れた」って!ぎゃん。
この辺に到着するのは8時ぐらいになってしまうらしく、そしてそんな遅い時間までこの教会を使えないらしいので、会場を移動することにしまーすって。。。はー。このまま行くと朝にしか帰れない。この日の最終の電車は10時半でその次は朝3時だってさーヒィィ。万が一8時に始まるとしても、ジェロは4時間ぐらい喋り続けるらしいので。。。うーんもうどうでもいい!せっかく来たのだし、何が何でも見て帰る。
そして、その辺にいた人に移動先の会場の場所を尋ねて、(「ブラックほにゃらら」というギャラリーらしい。ほにゃららの部分が聞き取れなかったけど、ストリート名を覚えたのでこれさえあれば大丈夫だろう。)適当にメモってとりあえず教会を出た。腹減ったので何か食べなければ。それから歩き回ってレストランを探した。1時間ぐらい探したかもしれん。もう、バカだな〜と思いつつ、まあまあだった昼飯の分を取り返すべく、よろしいレストランを見つけるまで歩いた。そして、あまりにも空腹の限界がきたのであんまり乗り気じゃなかったけどこのMercatoというイタリアンに入ることにした。ヤッピーが多いがそれと同時にお年寄りもすごく多いのが目に付く。結果的にこのレストランは成功だった。うまい。野菜の使い方がすごくよかった。フィリーらしく(たぶん)魚介類も食べれたし。わーい。。。
ということで、8時ごろに、教えてもらった場所に行ってみる。雨が降ってきた。でも、ギャラリーが見つからない!ないよー。どこにもない。とりあえずこの辺のブロックを一通り歩いてみるけど、道行く人みんなに、「ブラックなんとか」っていうギャラリーがこの辺にあるはずなんだけど、、、と言っても、知ってる人が誰一人いない!いやーー=−−なんでこんなところで迷わなきゃいけねーんだー。ていうか、なんでみんな居ないの?どこにいったの?キッヅは?ていうかどこでやってるのー?もう始まってるのー?私一人だけ場所わかんなくてうろうろしてるのー?なんでだー!道を教えてくれたねえちゃん、まちがってるよーおいおいおい。雨止まないし、もう朦朧としてきただよ。。。そしてその日に限って、私は携帯電話を家に忘れていた。さすがだね。
時計を見ると、もう9時半を回っていた。やばい。気づいたら独り言言いながら歩いているし。でも、どうにかして見つけたい!どっかからマイクの大きい声が聞こえてこないかな〜、と歩き回った。あーバカバカ。そこで思いついたのが、元々の会場だった教会に戻る、という考え。何か張り紙でもしてあるかもしれない。真相究明のため、教会へと急ぐ。。。もう道順とか、暗記してしまった。。。
ぜいぜい言いながら教会へ着くと、管理人らしいおっさんが何故かパンツ一丁で礼拝堂の中にいた。ラティーノっぽいこのおっさん、もう閉じる準備でもしているのか。私は、「えっと、今日の、イベント、は。。。」と訊くと、おっさん、汗を拭きながら「あー、キャンセルキャンセル。」「ええーでも、会場が移動になったんじゃ。。。」「いや、キャンセール、キャンセルキャンセルキャンセル、キャーん、セル。」「あ、そう。。。サンキュー」「No Problemo.」
。。。


心身ともにからっぽになった感じで、とりあえず腰掛けて一服することしかできんかった。そっかーあははははーキャンセルかよー。みんな、知ってたんだ。。。会場移動が決まったとき、私だけ場所を聞いてそそくさと教会を出たからな。。。そっかーみんなキャンセルになったの知ってたから来なかったんだ。アホらしい。。。
そして最後のパンツ一丁のおっさんが、心に引っかかる。。。

おとなしくその日の終電で、家に帰りました。この日記は電車の中で殴り書きした。ブンブンブン。もー悔しくて。まーでも、これでフィリーの街の中はだいたい覚えた。ただでさえ通りの名前においては記憶力がいいほうなんだけど、これはもう絶対忘れない。フィリー案内しますよ。よろしかったら。

*1:これが後日開けてみたら実に美味しかった。"Blue Mountain Chambourcine Reserve"