For Your Consideration


愛するクリストファー・ゲスト監督の新作が公開されました。偽ドキュメンタリー(モキュメンタリー)で有名なGuest氏。今作品はモキュメンタリーの構成から離れたコメディー作品になっています。登場人物たちへのインタビューなどは映画のストーリーの一部として行われます。正直言って、前作までのGuest作品を知らないと面白さは半減するかもしれない。しかし、いつもの俳優陣が繰り出す気まずさは、とててつもなく微妙で面白い。俳優さんたちが演じてない感が最高。
この映画は、ハリウッドでのある映画制作について描かれていて、その映画の撮影模様、クルーや俳優さんたちの様子、映画制作会社、そして彼らを揺るがすオスカー賞やメディアの騒ぎっぷりを、結構淡々と描いている。私が思うに、これはハリウッド映画の人気とそれを取り巻くメディア、(言ってしまえばアメリカ全体のメディア)の底の浅さを批判する形でのコメディー。台詞やアクションもさることながら、小道具や衣装等にもすごく気が使われていて、思いっきり飛んでいるアホな女プロデューサーはワインをストローで飲むし、映画監督はマル縁眼鏡でゴワゴワの汚い髪の毛+お腹出ている。偽のテレビ番組なんかは内装も本当に本物っぽく大袈裟で、上手いなぁ。そしてなんと言っても、映画の中の映画のテーマになっている、「アメリカ中西部訛りで喋るユダヤ人家族」というのが最高でした。現実には、そんな人たちは全くと言っていいほど存在しない。ほんの少数は居るにしてもそれをハリウッドの題材にしてしまうとはね。。。さすがです。そのユダヤのテーマというのも、最後には「誰にでも見れる映画に」ということで変えられてしまう。

それと、The Office (http://www.bbc.co.uk/comedy/theoffice/) のDavid役、Ricky Gervais が出ていたのだけど、役柄がDavidのまんま!喋るだけで面白いひとだ。

Jennifer Coolidge (ザ・大物)とRicky Gervais



公式サイト: http://www.foryourconsiderationmovie.com

予告編(Medium)