まだ休み、Free Radicals

こんだけ家にこもってぐーたらしてるのは久しぶり。お菓子を沢山食べています。
昨日の夜は友達に勧められたオーストリアの映画「Free Radicals」というのを観た。Barbara Albertという結構若い監督が2003年に作った作品。話は何組かの全然関係のない人たちのそれぞれの生活を断片的に見せる形式で進む。その登場人物たちの共通点は、孤独感。クラスののけ者にされる女子高校生、親友(実は不倫中の男性の奥さん)を交通事故で亡くした若い保母さん、キリスト教コーラス隊とクロスワードパズルが趣味の一人暮らしのおばさん。。。彼らそれぞれが、どこか社会からはみ出していたり、または社会によって準備された形式にぴったりはまって生活している。生活のスタイルっていうのは個人の人間性を表す上では単に表面的なものにもなり得るんだってすごく感じた。たとえばこの映画では、毎日同じことの繰り返しの生活をしてる営業マンと、身寄りがなく違う男と寝歩きながら暮らす女の人が並べて描かれていたりするんだけど、その二人の中がそれぞれ心の中にもつ寂しさが出会うところとか、すごくリアルで、心に迫ってくるものがある。映画全体が散文詩のようでもあるんだけど、そうやって散らばったものが帰る場所は一緒。その象徴的な場所がとある街のショッピングモール(かなり、ダサい)だったりして、面白かった。
それぞれが、集団の中に居場所を求めたり、誰かと秘密を共有することで、自分の存在を問いながら暮らしている。こういう心の作業はとても困難で、それを維持しようとする意思は、とても儚いものと思う。時としてどっかで諦めて、心や身体の機能が崩れてしまったりする。でも彼ら登場人物がどうにかしてやってのけることは、独自のやり方で自分の気持ちを吐き出している、ということ。
悲しくて、情けなくて、見るのが辛くなるような描写が多いんだけど、なんだか最後には気持ちがすっきりしている。そういう映画だった。
そうそう、Paul Thomas Andersonの「マグノリア」みたいな感じ。あれもすごい映画だった。
あんまり情報が少ないんだけど、Barbara Albertの他の作品が気になります。DVDの付録の、彼女のインタビューもすごく面白かった。

James Brownが亡くなった。一度お目にかかりたいと思っていた。そのこともあってか、今日は昔のCDを引っ張り出してきて片っ端から聴いてみる、という作業(?)をしたりした。Morphineという90年代に活躍したアメリカのバンドが、すごく良いですね、今夜は。このバンドのボーカル、ライブ中のステージで心不全で倒れ、亡くなったらしい。

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それにしても、95年の作品が「昔のCD」か。。。まぁいいじゃん



というわけで、昨日と今日合計で10メートルぐらいしか歩いてないだろってぐらい家にこもっていたので、今日は近所のモロッコ料理屋で御飯を食べました。わざわざ、歩いて行ったよもう。私の住むアストリアにはSteinwayというアラブ系のレストランや雑貨店が立ち並ぶ大通りがあります。今まであんまり行ったこと無かったんだけど、安くて旨い魚介類を出す店が結構あるみたいで、(多くは肉だけど)これからの楽しみだ。今日行ったところもすごく美味しかった。アラブ系の多くはムスリムで一般にお酒も飲まないということで、コーヒーやお茶の美味しいお店も多い、とのことです。水タバコ付きでね。そうやって色んな文化に沿って「社交場」みたいなものが発展している。嬉しい発見です。でも以前どこかで見つけたレバノンのワインは、すーごく美味しかった。レバノンのワイン?ってびっくりするんだけど、あ、そうか、レバノンムスリム以外の人も多い国なんだ、ということに。
また色々探そ!

それにしても、指の逆ムケが多くなって非常に痛い。むかなきゃいいのに。
ここんとこ気持ち悪いぐらい暖かかったけど、寒くなりました。でも今年はインフルエンザ予防接種も受けたことだし、大丈夫だろう。がんばろう。