物欲

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5時半ごろ、仕事を終えてネットで仕事探ししていると、友人のロニットちゃんから1本の電話が入る。今ソーホーのH&Mスウェーデン発、安い服のチェーン店)に居るらしい。そして、ポリ(うちの猫)模様がいっぱいくっついたグレーの七部袖Tシャツがあるんだけど、自分のために買ってほしいか、という話だった。胸が高鳴る。。。どんな形なんだ、値段は、サイズは。。。検証の結果、私ぴったりのサイズがある。そして、値段もさすがの12ドル。。。是非、買っておいてちょうだい!!と頼ん(叫ん)だ。そしてさらに、今からそっちに向かうから、店で会いましょう。30分で着くから、と言って電話を切った。どうしても実物をこの目で確かめたいのだ。
この夢にまでみたシャツを求めて、すごい早足で地下鉄まで歩く。何だろう、この気持ちは。終始ドキドキしている。こういことでドキドキできるのだ、自分は。職場から歩いて10分のところにも別のH&Mの店舗があるのに、もし、もし、ここに同じ商品が無かったら。。。恐怖で冷や汗が出る。汗を拭いながらソーホー行きの電車に飛び乗った。よく、帰宅ラッシュ時にえっらい急いでイライラしながらプラットフォームを歩いたり、満員の電車にキッツキツに体を詰め込んで乗ろうとする人々、そういう人に疑問を感じることがある。−もう、家に帰るだけなのにそんなに急いでさ。。。−しかし今日は自分がその一人、しかも極端な人だったことに違いない。目が血走っていたのか、脳の血行がよくなっていたのかわからないが、電車の中で読んでいた記事がすら〜っと心地よく頭に入ってくる。しかもすごいスピードで読める。ある駅で、アカペラのコーラス隊が乗ってきた。R&Bの明るすぎるぐらいの歌で明らかに私の読書を邪魔してくれたにも関わらず、お札を1枚あげてしまった。私がいつもお金を寄付するミュージシャンは、だいたい二人しかいない(アコーディオンプレスリーを歌う盲目のおじさんと、アームストロングそっくりの声で歌い間奏にトランペットを吹く兄ちゃん)んだけど、今日は特別です。お金を箱に入れたときの自分の笑顔を想像すると気持ち悪い。
読むスピードがちょっと落ち着いた頃に駅についた。階段を駆け上って外に出ると、寒い!土曜日の22度からこんなに急に下がって、みんな気の毒だなぁ。特に散歩中の小型犬の極度な震えが目に付く。
駅から30歩ぐらいのところにあるのがH&Mアメリカでは、クリスマスシーズンや年末にかけてものすごい数の人が買い物をする。とにかく、買う買う。(このことについても一度書きたかったんだけど、ただの文句なので控えた。)で、お正月が過ぎたこのあたりの時期は、お店が空っぽ。みんな買い尽くしてしまったのね。都合がいいわ。そして店のドアを開けると、そこには笑顔でたたずむロニットちゃん。。。この子はほんとにもう、可愛い!挨拶もなしに、会ったとたん彼女が手に持っていた黒猫シャツをぶんどった。わざとやって笑ってくれたので安心した。そして肝心のTシャツはもちろん、かわいい。安い。買います。

あー簡単。