[読]『在日一世の記憶』

集英社新書のウェブサイトで、在日一世の人々のインタビューの連載が、公開されています。
http://shinsho.shueisha.co.jp/column/zainichi/index.html
各回の冒頭に書かれているのが、
「現在、故郷から遠く離れ、玄界灘をわたってきた「在日」の第一世代、すなわち「在日一世」の方々は、その数奇な歴史体験とともに、表舞台から静かに退場しようとしています」
これを思ってはじめて彼らの話に耳を傾けることができるのか〜、とちょっと自責に似たような感じを覚える。戦時中から戦後へ、そして戦後がもうひとつのはじまりとなって、とてつもなく重さのある時間が何十年も流れて、自分はそのうちのほとんど半分を生きてきた。今でも知らないことだらけだし、歴史とその中の人々の体験を知らずに、知ろうとせずに何かその外側の枠のことを議論したりしようとしてしまうし、周りにはそんな白黒の議論が目立っていると思う。そんな中でこれを読めるのは、ありがたい事だと思う。
第35回と43回の取材と執筆をしてるのはうちの父さんで、北海道での強制労働に関わったふたりの方のお話です。もう40回を超えているんだけど、そのひとつひとつを時間をかけて読みたい。ウェブ上でこのようなコラムが公開されているというのはほんとに貴重なことだなあと思う。後からこの連載は本として出版される予定だそうです。