動物農場

動物農場 (角川文庫)

動物農場 (角川文庫)

ジョージ・オーウェルの代表作のひとつ。イスラエル出身の旦那に会ったばかりの4年前、“お前は動物農場も読んだことないのか?!”と大批判されて読み始めました。そのときはペーペーの英語力でなんとか読んだけれど、英語でもとても読み易く楽しむことができた。なんでもイスラエルでは学校の英語の授業で読むらしいし、英国では、教科書には必ず載っているみたい。
その動物農場を最近日本語版でまた読んだ。4年前とはかなり違った感想を持てた気がする。でも未だに衝撃だった。力というものの恐ろしさ、一度手にしてしまった力をもてあそぶことしかできない弱さ。権力に反抗するために戦い、戦いに勝ったら今度はその権力を自分が保持してしまう。知らず知らずのうちに。そして権力というものに、恋してしまうんだなぁ、とつくづく思った。恋をすることで、周りが全く見えなくなる。動物の姿を描いているけれど、それは人間の姿以外の何者でもない。
そして本当の意味で、その権力を指導者(本の中では指導者の豚)の手中にすることに一番役を買っているのは、下層者なんだ、ということ。彼らの日々の労働があってこそ、あの豚は力を乱用してほっつき歩いてまわることができるんだろう。

私はいつまでたっても上の人にぎゃんぎゃんわめきながら反抗し切れていない身分だけれど、(職場などで)常に目を開いていかなければな。一番罪なのは、下で働く立場、“使われる立場”として、その現場にある力関係に無関心であることだと思う。上のやつらは盲目なんだから、自分がしっかりしないと。もう。あと、使われるっていうと抽象的かもしれないけど、色んなところで私たちは使われている。たとえば大手のスーパーやレコードやで消費者としてお金を使うことでさえ、その一部でしょう。昨日はヴァージンメガストアでCDを一枚買った。安かったからよかったのだが。でもそのことで私は大富豪の大会社の宣伝効果に騙されて、ってそこまでは行かないかもしれないが、そんなことにも、ちゃんと気づいていかなければ。と思う。
あー話がわからなくなる。うまく当てはまる言葉がわからん。くやしき。

とにかく、
この本の鋭さとそこに共存するユーモアは、いいなぁ。
いつの時代も、“反乱ですって?いやだわそんなの”ってリボンをつけて逃げてしまう綺麗好きがいる。。。