最近の:グロスマン

David Grossman(デイヴィッド・グロスマン)というイスラエル人作家の小説『Someone to Run With』を読んだ。フィクションを読んだのは久しぶりだった気がする。これはいい本だった。実は十代向けの本らしいですが。(そのぶん英語でもわかりやすい!)とにかく、何が起こるの?何が起こるの?って毎日そればかり考えて、数分でも時間があると読みふけってしまう。そういうお話に出会えたのは久しぶりでした。
16歳ぐらいの男の子が何の関係もない15歳の女の子を探す旅に出る、というお話なんだけど、その中になんか淡い恋の話なども混じっていて、全体的にはピュアでさわやかなお話です。なのに、グロスマンの人間の描写のしかたがすごくすごく激しいぐらいに繊細で綺麗で、驚かされる。台詞とかより、手や顔や耳のしぐさとかの描写のほうが心に残る、っていうかんじね。映画「誰も知らない」の中の手のクローズアップと同じような印象がある。
土曜の夜、本の最後で泣いて、読み終わった本を閉じて真っ直ぐベッドに行きました。9時半。めちゃくちゃよく眠れた。

イスラエルじゅうでよく愛され、読まれているデイヴィッド・グロスマンですが、この度の戦争で20歳ぐらいの息子さんを亡くしました。8月の中旬のことでした。この息子さんの死には、イスラエル中が悲しんだ。特に、グロスマンは彼が亡くなる3日前に、作家アモス・オズ、A.B. Yehoshuaと共に(3人とも、イスラエルでは国民的人気の作家)イスラエル政府に対してヒズボラとの停戦の交渉を求める共同声明を発表していました。
この戦争をきっかけに読み始めたブログの作者、Lisa Goldmanもグロスマンのことについて書いています


そんなこともあってか、この人の作品をぜひ読みたいな、と思っていて読みました。
フィクション作品の多くは日本語訳されてないようだけど、エッセイは何冊が出ているみたいなのでぜひ読んでみよう。
日本語でwikiにもありました。